最近、無料版のGoogle ColaboratoryでAUTOMATIC1111 web UIが動かなくなった、警告が出るという問題が発生しています。
この記事では、Google ColabでStable Diffusionが制限された原因と対処法について解説していきます。
なぜAUTOMATIC1111 web UIの実行で警告がでるのか?
2023年4月20日頃から、無料版のGoogle ColabでAUTOMATIC1111 web UIを実行するとダイアログボックスで警告が表示され、Stable Diffusionの利用が制限されました。
引用 : Chris Perry氏のツイートより
Google Colabの中の人、Chris Perry氏によると、
「GPUがパンク寸前、無料プランはインタラクティブなノートブックコンピューティングが優先です。Stable Diffusion Web UIの使用量が大きくなり、チームの予算では使用量の増加に対応できません。」ということです。
Google Colabは機械学習の教育や研究向けサービスなので、Stable Diffusion Web UIで本来の目的とは異なるAIイラスト生成を無料プランでガンガンやられると困るという話です。
YouTubeなどでも無料でできるAIイラスト作成方法としてGoogle Colabを利用したものが紹介されていますから、Stable Diffusionを使う人が急増したのでしょう。
ちなみに、警告文はアカバンを匂わせる文言になっていますが、実際にGoogleアカウントがアカバンになったという書き込みは見当たりません。
おそらく、他の警告にも使われる定型文が表示されているだけでしょう。
今後もStable Diffusionを使い続ける方法
Google Colaboratoryのプランは、無料版、Pro、Pro+の3つがあります。
試しにProに課金してみたところ、AUTOMATIC1111 web UIを実行しても警告が表示されなくなって、ColabでのStable Diffusion制限が解除されました。
いまのところ、ColabのProかPro+であれば、AUTOMATIC1111 web UIの使用は問題なさそうです。
Google Colab以外では、Modalというサービスでも制限はありますが、無料でStable Diffusionが使えるようです。
ModalでStable Diffusionを使う方法については試してみたら、記事にしようと思います。
あとは、ハイスペックのグラフィックボードを積んだPCを用意して、Stable Diffusionをローカル環境で動かすという方法もありますね。
玄人志向 RTX3060搭載 グラフィックボード GDDR6 12GB GALAKURO GAMINGシリーズ GG-RTX3060-E12GB/OC/DF
自分のPCであれば、規約や利用制限に左右されません。
個人的にはGoogle Colabよりも、グラボを積んだデスクトップPCでStable Diffusionを利用することをオススメします。
ゲーミングPCを持っている人であれば、そのままで使えたり、グラフィックボードを交換するだけで、制限なしでStable Diffusionを使いまくることができます。
今後はGoogle Colabの有料プランの規約もどうなるか分かりませんから、ローカル環境を用意しておきたい人もいるでしょう。
最近では、SeaArtという、Stable Diffusionの機能がほぼ使えるサービスもリリースされています。シード値やコントロールネット、モデルやLORAの変更もできるみたいです。
SeaArtはコイン制ですが、2023年6月現在は無料となっています。
将来的にSeaArtは有料になると思いますが、Stable Diffusionをちょっと試してみたいという人は、SeaArtでも十分だと思います。
LINEで使える「AIイラストくん」というサービスもありますが、SeaArtに比べると機能的にかなり劣ります。
Stable Diffusionを使うためのPCの推奨スペックについては、別の記事で説明しています。
Stable Diffusionが動作するPCの推奨スペック
以上、Google ColabでStable Diffusionが制限された、動かないという症状について書いてみました。今後もGoogle Colab上でAIイラストを作成したい人は参考にしてみてくださいね。